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 行政書士の業務の範囲については、各業界ごとに一定の見解は示されているものの、未だ大きく隔たりがあり、非常に分かり難いものであると言わざるを得ません。
 それは、行政書士法が、おおよそ全ての法律関係書類の作成や提出ができそうな規定を網羅的に置いている反面、他の法律において制限されているものを除外しているからであると考えます。
 ですので、弁護士法、司法書士法、税理士法等の関連士業について定められた法律を熟知していないと業務を進めていけないのが行政書士であり、また、どの関連士業よりもこの問題について注意を払っております。
 よって、法律問題に直面したとき、専門家に依頼すべきなのか、また、どの専門家に依頼すべきかを迷っておられる方は、まずは行政書士に相談されると良いでしょう。
 当事務所では、お話を伺ったうえで、どの専門家に依頼すべきなのか、または、ご自身で出来そうなものなのかを判断し、回答させていただきます。 


 それでは、下記にて少し詳しく説明したうえで、行政書士が取り扱うことができる業務について当職の見解を示しますので、ご理解のうえご依頼の際の参考にしていただければ幸いです。

 まず、行政書士法の業務についての規定を噛み砕いて紹介します。
(行政書士法より抜粋 ※なお、大部分を省略)
第1条の2 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。
2  前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては業務を行うことができない

第1条の3 行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない
(1) 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続について代理すること
(2) (略)
(3) 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること
(4) 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること
 このように、法律絡みのちょっとややこしい書類を依頼者の指示通りに作ったり(書類を作成)、依頼者の意向に沿った法的趣旨内容の書面となるように工夫して作ったり(書類を代理人として作成)、法的にしっかりとした書類を作るための相談に乗ったり(書類の作成について相談)、果てはお役所であれこれと訂正を言われたときにも耐えながら申請をしてくれる(書類を官公署に提出する手続きについて代理)便利屋さんのことだろうと想像がつくものかと思います。

 しかし、上記条文中の赤字部分のとおり、その業務の範囲は様々な法律によって制限されています。代表的なものとしては「弁護士法第72条」(いわゆる非弁行為の取締り規定)がありますが、まずは下記にて簡単にその内容を記します。
(弁護士法より抜粋 ※なお、大部分を省略)
第72条 弁護士でない者は、報酬を得る目的法律事件に関しての法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
 つまり、行政書士業務である「官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること」は、まさに法律事務なのですが、その事務が法律事件性を帯びている場合には行うことができません。
 そこで、当職としましては、この法律事件の定義を「当事者間において法的主張の対立があり紛争解決が必要な案件」と理解したうえで、業務を受注する際の指針とさせていただきます。
 念のため、行政書士業務の中でも特に法律事件性の判断についての見解が分かれそうな典型的な案件をそれぞれ次のとおり記載し、当事務所での取扱い方針を示しておきます。
案     件 取扱い 理     由
1.離婚協議書の作成 ×  夫婦双方ともに離婚意思が固まっており、財産分与などの離婚条件が概ね決まっている場合は、家庭裁判所に対して調停を申し立てることで解決します。やりかたは裁判所の職員が親切に教えてくれますので、ご本人のみでもできますし、財産に関する条件のみを調停で、離婚自体は協議離婚とすることができます。ほとんど費用も掛かりませんのでお勧めです。
 また、法的に離婚すべきか否かについての相談(いわゆる離婚相談)は、残念ながら書面の作成についての相談業務に該当しませんので、行政書士として依頼を受けることはできないものと考えます。このような場合は弁護士に依頼されると良いでしょう。
 よって、法律事件性の判断については3.示談書の作成のところに記載するとおりですが、それ以前に実利的に考えましても、行政書士が介入すべき分野ではないものと判断しております。
2.内容証明郵便の作成
(但し、クーリングオフ、債権譲渡通知)
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(△)
 内容証明郵便はその証拠力の高さから、主に裁判の前段階の手段として利用するものとして一般に認知されているものかと思われます。よって、この性質を利用して不貞行為に対しての慰謝料請求等、裁判で公になると相手方が困るような事情が想定される場合の交渉手段として利用するには便利なものかと思われますが、これは単に相手方の弱みに付け込んで法的主張を封じている状態に過ぎず、法的事件性を帯びていることは明白です。
 したがって、このような心理的な交渉手段として利用する内容証明郵便の作成依頼は当事務所としてお受けすることはできないものと考えます。
 これに対して、債権譲渡や債権放棄をする場合には確定日付が重要であり、このような場合に内容証明郵便が利用されることがありますが、このような案件はあまり緊急性がないものと思われますので、ご自身で作成されることをお勧めします。
 しかし、クーリングオフにつきましては、書面の正確性と手続きの確実性が求められる案件であり、また、通常であればその法律行為自体に法的主張が対立する余地はないものと考えますので、依頼があれば行政書士として職責を果たすべき案件であるものと判断しております。
 なお、相手方の妨害行為等によってクーリングオフの可能期間について争われる余地がある場合は、事件性を帯びているものと考えますので、当事務所として依頼を受けることはできません。
3.示談書の作成  示談行為自体は疑いもなく法的主張のぶつかり合いですので、この時点での依頼は必ず弁護士(もしくは認定司法書士)にお願いします。
 しかし、飲み屋での喧嘩等、単発的な事件の場合には、その場で白黒がはっきりすることも多く、あとは後々のトラブルにならないように法的にしっかりとした示談書を書いてほしいというニーズ(和解後の単なる書類作成依頼)も散見しますので、そのような場合には依頼を受けることができるものと考えます。
4.遺産分割協議書の作成  行為の性質上、法的主張の対立が大いに予想される法律行為であると考えますので、基本的には弁護士に依頼されると良いでしょう。
 また、争いもなく円満に協議ができた場合にはそもそも遺産分割協議書を作成するニーズも低く、仮に必要となるとすれば、税務申告や不動産登記申請用の書面ですので、税理士又は司法書士に依頼されると良いでしょう。
 行政書士としましては、自家用車の相続による名義変更を依頼される場合には、お役に立てるものかと思いますが、相続人の確定が困難な場合など特段の事情がない限りは、ご自身でされることをお勧めします。
5.遺言書の作成支援  遺言には推定相続人の廃除や遺留分を侵害する遺贈のように特定の相続人にとって不利益になる規定を設ける場合もありますが、遺言をする行為自体には法的主張が対立する余地はないものと考えます。
 法的に正しい方式でご自身の意思をしっかりと反映させた遺言書は、相続時における争いを未然に防止する効果を大いに発揮しますので、まさにそのお手伝いをすることは行政書士の使命であると考えております。

 次に、「司法書士法第73条」(いわゆる非司法書士の取締り規定)による制限について説明します。
(司法書士法より抜粋 ※なお、大部分を省略)
第3条  司法書士は、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
1  登記又は供託に関する手続について代理すること。
2  法務局に提出する書類を作成すること。
3  (略)
4  裁判所若しくは検察庁に提出する書類を作成すること。
5  前各号の事務について相談に応ずること。

第73条 司法書士でない者は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行つてはならない。
 これにより、行政書士業務とされている「官公署に提出する書類の作成及び提出手続きの代理」から、法務局、裁判所、検察庁が除外されています。もちろん、それらの書類作成の相談を受けることもできません。
 さらに、注意を要する事項としましては、たとえ無報酬であっても司法書士以外の者は業務として登記申請書類を作成することができないことになっています。(上記掲載の行政書士法及び弁護士法の条文中、青字に該当する部分が司法書士法にはない。)
 よって、行政書士は、離婚調停申立書、成年後見申立書、相続放棄申述受理証明書の交付申請書、株式会社設立登記申請書、不動産の所有権移転登記申請書などといった書類の作成はできませんのでご注意ください。
 

 さらに同様の趣旨の規定が各士業法にあり、それぞれ制限されていますが、行政書士の業務の範囲は多岐に渡っておりますので、あらゆる場面で皆様の生活上の手続きをするうえでお役に立てるものと思います。
 当事務所では、主に左のサイドメニューに掲げた業務を取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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